よくわからない判決　西東京バス 賃金差別

同じ会社で、バス運転士として同じ仕事をしていながら、どこでいつ入職したかで年間に１００万円前後もの賃金格差があることの是正を求めた訴訟の控訴審判決が2023年12月５日、東京高裁であり、水野有子裁判長は一審に続き、原告の訴えを退けた。

「経営状況」が悪ければ差別してもいいの!？　

　判決は、「一般論」と前置きした上で、「同一の業務内容である正社員間で労働条件に差異がない方が望ましい」と言及。入社時期による格差が「公序良俗に反し無効となることがあり得る」とした。しかし、会社側が主張する「経営状況」を理由に、条件の引き上げは「困難と言わざるをえない」とした。

これって裁判？　判決？

　もし、経営状況が悪くて、労働者の賃金を下げなければ会社がつぶれるとするならば、みんな同じように賃金ダウンさせるんじゃないの!?

控訴

　判決後、安田さんは最高裁に上告する意向を示しました。

　原告代理人の尾林芳匡弁護士は、正社員間で同一労働でありながら賃金格差などがあることを「公序良俗に反して無効となることがありえる」と言及したことは評価しながらも、その一方で「吸収合併から１０年以上もたつのに、会社の言い分をうのみに大きな格差のままにする会社を免責する、許しがたい判決だ」と批判しました。