あの広い太平洋(海)に流したら、劇薬も「基準内」になってしまうのではないの?

被爆には、外部被爆と内部被爆があることが分かった。

8月29日、あらためて「人体には影響がない」とIAE(国際原子力機関)のラファエル・グロッシ事務局長は会見したけど、人体に影響はないというのは、飲んでも大丈夫ということ? (飲むと内部被爆?)

そもそも

「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」(通称:ロンドン条約

「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」(通称:ロンドン条約)は,1972年12月にロンドンで採択され,1975年8月に発効しました(日本は1980年10月に同条約を締結)。同条約は,水銀,カドミウム,放射性廃棄物などの有害廃棄物を限定的に列挙し,これらの海洋投棄のみを禁止しています。

その後、1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の1996年の議定書」(通称:ロンドン議定書)が1996年11月にロンドンで採択され,2006年3月に発効しています(日本は2007年10月に同議定書を締結)。

今回の汚染水(処理水?)は「放射性廃棄物」にあたるかと思いますが、この条約に抵触しないのでしょうか? 海洋汚染ですよね。

IAEA(国際原子力機関)の役割

「国際的な第三者機関」と表現されるIAEA(国際原子力機関)は、原子力利用を促進する機関で、環境保護や人権を守る面では、中立とは言えません。

IAEAの報告書は日本政府が提出した海洋放出計画を追認したもので、海洋放出以外の選択肢との比較はしていないし、海洋放出を推薦しているわけではないのです。

アルプスで処理した汚染水は、どんな処理水?

政府はトリチウムの話しだけするけど

アルプスの「処理水」には、トリチウム以外の放射性物質が含まれている

通常運転の原発から排出されるトリチウム水は、主に冷却水中の重水素やホウ酸と中性子が反応して発生するそうです。ですから、他の放射性物質は入っていないのでしょう。

アルプスで処理される汚染水は原子炉建屋に流れ込む大量の地下水などが、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)に直接さらされてできたもので、トリチウム以外にもヨウ素129やストロンチウム90など、多くの放射性物質が含まれているそうです。

その汚染水をアルプスで処理したものがタンクに貯蔵されています。タンクの中の「アルプス処理水」の7割近くには、トリチウム以外の60種類以上の排出基準を超える放射性物質が含まれているようです。(東電3月発表)

その「アルプス処理水」が放出までに処理され、さらに海水で薄めたとしても、トリチウム以外の放射性物質が含まれていることは変わらないでしょう。

やはり「汚染水」だよ

再処理して「基準以下」にしたとしても、トリチウム以外の放射性物質を30年放出するわけですから、「塵も積もれば山となる」状態で、その総量はどのくらいになるのでしょう?

燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)を取り出す見通しが全く立っていないし、今もなお、建屋に地下水が流れ込み、1日あたり約90トンの汚染水が発生していると言われています。

通常の原発から排出される水?は、トリチウム以外の放射性物質は入っていない。アルプスで処理した水?はトリチウムの他に放射性物質が入っている。よって、「同じ水?」ではないと思いますが。 通常の原発からだされる水を「通常」とすると、アルプスで処理したとしても他の放射性物質が含まれるなら「汚染水」と言っても間違いではないような気がしますけど。

『薄めれば大丈夫』??。太平洋・海という壮大な量の海水に、薄めて廃棄したって、そのまま廃棄したって、放射性物質の総量は同じような気がするんですけど。

アルプス処理のプロセス  政府サイトから

これは目標? 

トリチウム本当に安全? 無害?

「国の放出基準(1リットルあたり6万ベクレル以下)を毎日2リットル生涯飲み続けても健康に影響はない」「世界の原子力発電所でも、トリチウムは排出している」「そもそも大気中にもある」「水道水にだって入っている」 よって「大丈夫」みたいな論調が政府を先頭に世論形成をしています。

トリチウムの影響については専門家の間でも意見が分かれているようです。政府は「環境うあ人体への影響はない」と言っています。しかし、専門家の中には異論を唱えている方もいます。

 放出の1週間後に福島県沖で撮れた魚を食べて、「大丈夫」、サーフィンをして「安全」をアピールする政治家はいるけど、飲んでアピールする政治家はいませんね。

 調べてみたら、トリチウムそのものの危険性を説いている書籍を見つけたので読んでみました。原子力発電所付近での健康被害など、詳細に記載されています。 (以下P18から引用)

書籍:汚染水海洋放出の争点

 2021年4月、政府は福島原発事故による汚染水を海洋に放出することを決定した。公聴会の圧倒的反対、地元漁業関係者や住民、国内ばかりか近隣諸国の反対の声を無視した決定であった。その根拠となった政府「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」の海洋放出案は、さまざまな放射性物質を含む汚染水による海洋汚染、トリチウムの危険性、敷地やタンクの増設や他の処理方法を検討しなかったり、無視した杜撰なものであった。
本書は、トリチウムの危険性と汚染水放出の問題点について、一般読者向けの概括的でやさしく分かりやすい解説書であると同時に、国の放出案を逐条的に批判し、汚染水の海洋放出に反対する人びとの手引き書でもある。(書籍案内より)

政府:「トリチウムは、雨水や、海水、水道水など自然界にも広く存在している」

“現在自然環境中にあるトリチウムの大部分は核兵器保有国がおこなってきた大気圏核実験の残存物であるか、原発や再処理工場によって人工的に排出された環境汚染物質である。
政府は、世界の原発・核推進勢力の一翼として、自ら生み出し、自ら事前を汚染しておいて、そのような「自然界」を、自分が行ってきたし、これから行おうとしている放射性汚染物放出の正当化に使っている。政府の主張は、すでに汚染物によって自然界は広く満たされているの「だから」、さらに汚染するのも「影響はない」「危険はない」「受忍すべきである」と言っているに等しい。”

政府:「多核種除去設備では、トリチウムを除去することは困難」

“「多核種除去設備では、トリチウムを除去することは困難」とは何を言いたいのだろうか? トリチウムを回収する技術は不可能であることを示唆したいのかもしれない。だが、現実には回収技術は現に存在する。”

政府:「トリチウムは、各国の原子力施設から放出されており、福島第一原発に貯蔵されている全量以上のトリチウムが1年間で放出されている例もある」

“というのは放出を正当化するために言っているのであろうが、今後の事態の恐ろしい展開を示唆している。つまり、福島に溜まっている1PBq(ペタベクレル、10の15乗ベクレル)規模のトリチウムの年間での放出が「当たり前」ようにありうることを示唆している。… ”

政府:「トリチウムが原因と考えられる影響は確認されていない」

“政府文章や専門家たちによってほとんど常套句のように繰り替えされているが、これは明らかな「うそ」である。既にトリチウムの影響がエビデンスとしてあることは、本書第2章で詳説されているのでそちらを参照されたい。”

政府:「トリチウム水の生物学的半減期は「10日」であり、摂取しても体内からすみやかに排出される。これは、ヒトのトリチウム摂取が100%トリチウム水であり、そのうち3%だけが人体内で有機トリチウムに変化する、すなわち97%はトリチウム水としてすみやかに放出され、有機トリチウムの影響は無視できる」

“トリチウム水を摂取した場合、人体内で有機トリチウムが形成され、その体内の半減期はトリチウム水よりさらに長く、500日程度となる。また、人間は、トリチウムを、トリチウム水として摂取するだけでなく、食事により、植物が光合成・化学合成などにより産生した有機トリチウムとしても接種する。このようなトリチウムの体内滞留期間はさらに長い。”

政府:「国の放出基準(6万Bq/L。1リットルあたり6万ベクレル以下)を毎日2リットル生涯の飲み続けても健康に影響は『ない』」

“実際には、6万Bq/Lは、染色体異常やDNAの失活が生じると実験的に確認されている最小値のレベル(3万7000Bq/L)を上回る。ICRP線量係数の極端な過少評価(後述する)を考慮すると、1年間など長期に飲用し続けることは、事実上致死量に近いと考えるべきである。”

政府:「環境中に放出しても無限に希釈されていき、濃縮も生物濃縮もされない」

“実際には、多孔質の粘土や砂の粒子に吸着されて無機的に濃縮され、さらに植物プランクトンから始まる生態系に中で生物濃縮される。また、トリチウム水として放出されたトリチウムは、有機物に対して親和性があり、環境中で多くの部分が有機結合ナトリウム(有機ナトリウム)となり、人体にも最初から有機ナトリウムとして侵入してくるようになる。”

政府:「汚染水に含まれる放射性物質はトリチウム「だけ」であり、トリチウムだけが問題になる」

“実際にはストロンチウム90、炭素14、ヨウ素129など多くの放射性核種が含まれる。”

※多核種除去設備=アルプス

内部被ばく

原発汚染水はどこへ

書籍:内部被ばくによる生物濃縮のリスク ―海洋放出の危険性を問う―

ALPS処理汚染水が抱えている問題の核心は、風評被害ではない。生物濃縮を通した内部被爆のリスク問題である。
「海洋放出」は聞こえは良いが、海洋投棄にほからならい。低レベル放射性廃棄物の海洋投棄を全面的に禁止したロンドン条約・議定書に抵触するのではないか。
もっと論議されるべき問題だ。(書籍案内より)

“ALPS小委員会の議論や報告集は、「基準以下」「安全」、国際的刊行の大合唱が基調になっている。しかし、わずかであるが、トリチウムが安全であるという事に反する議論や記述もある。注目したい。
報告書では、トリチウムは、「他の放射性物質と比較して健康恵の影響が低い放射性物質」であるが、「影響がでる被爆形態は内部被ばく」であることを認めている。この指摘は重要だ。わずかであっても、内部被ばくは生物に蓄積され、植物連鎖のなかで濃縮されていくからだ。” (P17)

有機結合型トリチウムの人体への影響

“トリチウムは水素と同じ化学的性質を持つため体内の主要な化合物である蛋白質、糖、脂肪などの有機物にも結合し、科学構造式の中に水素として組み込まれ、有機結合型トリチウム(OBT:Organically Bound Tritium)となり、トリチウム水とは異なった挙動をとる。
この場合は一般的に排泄が遅く、結合したものによってトリチウム水よりも20~50倍も長くなり、年単位でβ線を出し続けるのである。有機結合型トリチウム(OBT)は脂肪成分の多い臓器に長く留まるので脳組織、乳腺組織、生殖腺などの臓器に強く影響を与える。
体内蓄積のパターンの一つは、原子力施設から出るトリチウム水の水蒸気によって汚染された土地で育った野菜や穀物ばかりでなく生物濃縮した魚介類などの食物を摂取することであり、もう一つはトリチウム水の飲食や吸入などによって人体が必要とする有機分子の中にトリチウムを新陳代謝して摂りこむことだ。” (P55)

p60より

壱岐新報の記事 2019年3月1日

“トリチウムは放射能を含んでいると言われ、全ての原発や核燃料再処理施設では回収されず、自然環境に垂れ流しの状況から、世界中でも深刻な問題になっている。本市は玄海原発の対岸にあり、島の周囲は海で囲まれているため、海岸に流されたトリチウムを周囲の海岸生物を介して、住民が食事などで摂取している可能性は高い。”

トリチウムを含む排水そのものが問題なのかもしれない

政府や一部の「専門家」、著名人は、「原発ではどこでもトリチウムをだしている」といい、汚染水の海洋放出を懸念する国に対しては「あんたの国もトリチウムを排出しているでしょ」などとけん制しているけど、問題はそのようなところではなく、原発そのものの安全性が問われているのかも知れません。

風評被害を持ち込んだのは政府ですよね!

上記のように資料をもとにして「トリチウムは危険だ」と訴えている専門家もいますす。

とりあえず30年が予定放出期間のようです。水俣病、イタイイタイ病など、過去において河川、海洋汚染が起こした人的被害をこの国は経験しているだけに、魚介類に与える影響や、それを食した人にどういう影響がでるのか? など、10年、20年、30年後を心配する声は当然だと思います。

そのことを無視、または敵視し、政府の「専門家」が言う「安全」に疑いをもつ方々に対し、「科学がわからないおバカさん」「風評被害をつくっているのはあなたたち」みたいな風潮をつくられてしまうと、腹が立ちませんか?。

だから、「だったらトリチウム水(処理水)、毎日2リットル飲んでみろよ」と言いたくなるのです。

震災から12年、福島県の沿岸漁業の水揚げ量は事故前の約2割、漁獲高は約4割で、震災前の5割以上の回復を目指し、試験操業を経てようやく本格操業へと向かおうとしている途上でした。こうした努力に水を差したのが今回の海洋放出です。生業がやっと落ち着いてきたのに。

そこに海洋放出という方法を選択し予想された「風評被害」を持ち込んできたのは政府でしょう。汚染水の処理方法は他にもあったはずです。お金がかかるから、安上りの海洋放出を選んだのでしょう。風評被害がでることを分かっていて。

膨らむ費用  当初34憶円 → 1200憶円

政府は海洋放出の費用を、他の処分方法の10分の1以下、34億円と見込んでいました。実際には放出のための海底トンネル建設に430億円かかり、風評対策や漁業者支援に800憶円(国費・税金)が計上され、現時点で1200憶円を超えています。 今後、どのくらい費用がかさむのでしょうか?

「他の処分方法の10分の1以下」という試算なら、他の方法が出来てしまいませんか?

※他の方法とは、実績があるところで

  • モルタル固化 → アメリカ サウスカロライナ州のサバンナリバー核施設
  • 大型タンク保管 → 石油備蓄に使われる大きなタンク

福島県漁連との約束をやぶりました。「うそつき」です。

政府と東電は2015年に福島県漁連と「(汚染水を)関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と約束しました。東電は文章で「多核種除去設備(アルプス)で処理した水は発電所敷地内のタンクに貯蔵します」と明記しています。

しかし、岸田文雄首相は、約束の当事者の県漁連と直接会うこともせず、放出に踏み切りました。放出後の記者会見でも、全漁連や福島県漁連は放出に「反対であることはいささかもかわりはない」と表明しています。東電、政府はうそつきです。

海洋放出をめぐる閉会中審査が9月8日、衆参両院の経済産業・農林水産委員会の連合審査会として行われました。国会での質問に西村康稔経産相は「一定の理解を得られたと判断し、放出の日程を決めた」としてまともに答えませんでした。なにを持って「一定の理解をえられた」というのでしょう。

2023年9月8日、海洋放出をめぐり、衆参両院閉会中審査 日本共産党の岩淵友議員の質問

Q:岩淵議員 「関係者の理解を得られたと認識しているか」

A:東電 小早川智明 社長 「得られた」とは答えず、「政府の方針に沿って放出を開始した」

A:西村康稔 経産省 「最終的に理解が完了し、約束を果たし終える」 ????

海洋放出の行為とは別な問題として「約束を守らない事」「うそをつくこと」はいけないことです。約束からすると、東電・政府は、漁連に対し、漁連が「理解しました」というまで、説明する必要があるし、それまでは放出してはいけないのではないでしょうか。

「嘘つき」を批判するテレビは見うけられないように思います。逆に加担しているように思います。皆さんはどのように考えますか?

東日本大震災の時、「原子力村」というのが話題になりましたよね

「原子力村」の村長さんがだれで、住民がだれなのはわからないけど。「我が亡き後に洪水よ来たれ」でしょうか?

 政府側専門家は、海洋放出するにあたって、「風評被害」をとても気にしたようです。河田東海夫:元原子力発電環境整備機構(NUMO)理事は「度を過ぎた不安情報発信で世の中を乱すのは社会的犯罪だ」「風評の発生源と拡散」と「原発汚染水はどこへ」の筆記者である西尾正道氏を「発生源」として批判しています。
 そして、その発生源を抑え、海洋放出を早めるために「海洋放出の早期実現にはマスメディアの協力が必要だ」としています。そして、多くのマスコミは、その意図に沿って報道しているように思えます。

「海洋放出の早期実現にはマスメディアの協力が必要だ」 サイト http://www.aesj.or.jp/~snw/tritium/20200315KawataMain.pdf

トリチウム内部被ばくの恐怖を煽る西尾氏の欺瞞と非倫理性 サイト http://www.aesj.or.jp/~snw/tritium/200316KawataNishio.pdf

「玄海原発と白血病」に騙されないで サイト http://www.aesj.or.jp/~snw/kouen_shiryou/document/kawadasiryou-genkai.pdf

(上記の批判に対して、反論は書籍に掲載されています 汚染水海洋放出の争点 P23)

麻生 太郎 財務相は会見で、汚染水を浄化処理した処理水は「飲んでも影響はない」と言っています。タンクにためておいた汚染水を、アルプスで浄化した処理水は「呑んでも(身体に)影響はない」と言い切っています。(大臣が)

アルプス処理のプロセスでは、「安全基準の1/40、WHO飲料水基準の約1/7まで処理する」と言っているので、そうなのでしょう。

 報道によると、これを受けて、原子力規制庁は「飲むことの可否については原子力規制庁が検討中」という事なので、検討の結果「飲んでも大丈夫」との結論が出たときは、保健所の水質検査を受け、処理水をペットボトルに入れて「復興水」として全国で売り出せば、財政的にうるおうし、海洋放出しなくてもいいかも知れません。(皮肉です)

やはり、「安全」とする人たちの代表が、処理水(トリチウム水)を、毎日2リットル飲んで、10年目ぐらいに健康診断し、結果を見ないと判断できないものでしょうか? 

※「原子力村」=原子力発電を巡る利権によって結ばれた、産・官・学の特定の関係者によって構成された特殊な社会的集団及びその関係性を揶揄(やゆ)または批判を込めて呼ぶ用語。 

麻生 財務大臣 会見  2021/04/13  TBS NEWS DIG Powered by JNN   YouTubeから

麻生 財務大臣 会見  2021年4月16日  ANNnewsCH

反論になっていないような

「安全」の報道はテレビその他でさかんに行われています。でも、別の考え、検証結果があるのも事実です。内部被爆、食物連鎖…。30年、40年たち、その結果次第では、引き返す事のできない事態も想定できるのではないでしょうか?

 昔? テレビアニメで放送されていた「宇宙戦艦ヤマト」。「コスモクリーナーD」が必要となるかも知れません。(昭和かな)

福島の復興をねがうからこそ、海洋汚染に反対するのです

 気になるのが、「処理水の放出に反対する人は、福島の復興を願っていない人たち」のような論調です。海洋放出の是非にたいして、科学的見地から異論をとなえる学者、放射線をあつかう専門家もいるわけですから、学説としては双方あるという事だと思います。海洋放出に反対する方々は、「福島の復興を願うから、汚染水の海洋投棄は中止し、他の方法を」という思いでしょう。

 政府の言うことに従わない人 → 福島の復興を願わない人 → ・・・ → 非国民 という論調は気を付けなければなりません。

やはり、思い起こすのはこのフレーズ。

ヘルマン・ゲーリング 

「もちろん人々は戦争を望みません。これはイギリスでもアメリカでもドイツでも同じことです。

しかし人々は常にリーダーに影響をされてしまうのです。

簡単なことです。国民に向かってわれわれは攻撃されかかっているのだとあおりたてて、平和主義者に対しては、『お前たちは愛国心に欠けている、お前たちが国を危険にしているんだ』と非難すればよいのです」

「そしてこの方法は、どんな国でもうまくいきますよ」

自分の考えを持つための参考にしてくださるとありがたく思います。

意見・関連するサイト・見解

ジャーナリストの鳥賀陽(うがや)氏  政府 11のウソ

朝日新聞社記者から2003年からフリーへ  ユーチューブ

福島県沖 クロソイから基準超の放射性物質  2021年2月22日 NHK 政治マガジン

 トリチウムではなく、セシウムですが、2021年2月22日に新地町の沖合8.8キロ、水深24メートルの漁場でとれた、クロソイという魚から放射性物質が検出され、測定した結果、放射性セシウムの濃度が、1キロ当たり500ベクレルと、国の食品の基準である1キロ当たり100ベクレルを大きく上回ったという記事です。

サイト:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/54285.html

原子力産業新聞  2023年1月18日 

不安の意見を封じ込め?

「地方紙の多くは福島の痛みに共感せず」。 海洋放出に疑問を持つ地方紙を名指しし、そのような記事は「福島の痛みを自分事の痛みとして感じていないことだ」と自らを正当化する。

サイト:https://www.jaif.or.jp/journal/column/kojima/16086.html

原子力新聞:一般社団法人 日本原子力産業協会の発行

市民や有識者らでつくる 原子力市民会議 の声明

原子力市民委員会 サイト

汚染水放出 即時停止を 日本科学者会議が声明

 日本科学者会議幹事会は26日、東京電力福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出の即時中止と、汚染水の抜本的削減対策を求める声明を公表しました。東電は同日、3回目の海洋放出を11月2日から始めると発表しています。

 声明は、汚染水には大量のトリチウムと、その他ストロンチウム、プルトニウムなど多数の放射性核種が含まれ、「海水で希釈しても濃度が低下するだけで環境を汚染する放射性物質の総量は変わらない」と強調しています。現段階で汚染水が発生しなくなる時期は全く分からず、汚染水の放出期間も放射性物質の核種ごとの総量も見積もれないと指摘。政府と東電による海洋放出は「50年以上前の公害多発時代に希釈放出方式が否定され、総量規制方式に変えられた教訓を捨て去るもの」と述べています。

 放出後に政府が、海水や漁獲対象の魚介類のみ少数のサンプルを採取し、トリチウムなどが検出下限値未満であると宣伝していることを批判。国内外から反対や懸念の声が出るのは当然だとしています。

 声明は、公聴会や原子力市民委員会などで提案されてきた大型タンク長期保管やモルタル固化などの方法に加え、原子炉建屋への地下水流入を抜本的に削減する「広域遮水壁」の必要性などを強調しています。