選択的夫婦別性 国連 「なんの行動もとられていない」
国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、日本政府にジェンダー平等に向けた取り組みの加速を求める厳しい「総括初見」を10月29日に発表し、選択的夫婦別姓の導入を求める4度目の勧告を出した。
総括初見は、10月17日にスイス・ジュネーブの国連欧州本部で行われた日本政府への対面の審議を受けたもの。6回目となる審議は2016年以来8年ぶり。
総括初見は、選択的夫婦別性の導入について「これまでの勧告に対し、なんの行動もとられていない」と指摘・批判。結婚後も女性が自らの姓を保持することができるようにと、夫婦別姓を強制する民法の見直しを求めた。そして、2年後までの追加報告を求めた。
雇用分野では、専門職の女性を増やす特別措置や、管理職比率の引き上げ、同一価値労働同一賃金の原則の効果的な実施について詳細な勧告をした。
天皇制にも言及。男系男子に皇位継承を限る皇室典範の規定を、「条約の理念と相いれない」として改正を求めた。このことに、林芳正官房長官は、「国家の基本にかかわる事項」と、削除の申し入れをしている。
来年、2025年は、女性差別撤廃条約を日本が批准して40年となる。選択的夫婦別姓の法制化に否定的なのは主要政党では自民党と日本維新の会だけだ。ジェンダー平等の推進を阻んできた自民党は衆院選で大幅に議席を減らした。今後、条約、勧告に真摯に向き合ることができるだろうか。
林芳正官房長官の言う「男尊女卑の維持が国家の基本」とは、誰が決めたのだろうか? 明治憲法は廃止されたのだが。