「ロシアは国連憲章をまもれ」 国連憲章を基準に世界は団結を
国連憲章 国連の結成(1945年6月)とともに、国際社会の平和のルールを定めたのが国連憲章です。第2次世界大戦を経て、戦争を未然に防ぐ平和の国際秩序の建設が世界的な目標として提起されました。憲章は2条3項で「紛争の平和的解決」をすべての加盟国に義務付け、同条4項で「武力による威嚇又は武力の行使」を禁止しました。「戦争の禁止」という表現をとらなかったのは、宣戦布告のない奇襲攻撃や、謀略を利用しての「事変」への武力介入など、それまでの「戦争禁止」に対する脱法的軍事力行使が横行したからです。
国連憲章の成立後も、憲章を無視した米国や旧ソ連などによる侵略は行われてきましたが、20世紀を通じて植民地支配が崩壊し、中小国の政治的役割が増大する中で、国連憲章による平和の秩序を実効あるものにする流れが強まっています。
自民党や維新の会の一部の政治家は、ウクライナ侵略を利用して、「国連は無力だ」「憲法9条は役にたたない」などと言い募っています。安倍晋三元首相は、ロシアの侵略を「プーチンとしては領土的野心ではなく」起こしたとプーチン大統領を擁護しました。国連無力論や憲法9条への攻撃は「力の論理」の信奉に行きつきます。
米・バイデン氏は「民主主義対専制主義のたたかい」と「価値観」で強調するが…
米国のバイデン大統領は2022年3月2日、米国政府の一般教書演説で、ロシアを激しく批判するも、「国連憲章」を一度も引くことなく「民主主義対専制主義のたたかい」という価値観によるスローガンを押し出しますが…
シンガポール リー・シェンロン首相
2022年5月に訪日したシンガポールのリー・シェンロン首相は日経新聞のインタビューで「私はこれ(ウクライナ戦争)を民主主義対専制主義の問題とは言わない。なぜならウクライナで危うくなっているものは、国際的な法の支配、国連憲章だからだ」と言明。「これを民主主義対専制主義、あるいは善対悪の枠にはめるなら、自らの身を終わらない戦争に置くことになる。私は、これは賢明な歩みではないと思う」と述べました。
ニュージーランド アンダーソン首相
また、ニュージーランドのアーダーン首相も2022年7月7日の講演で「これを民主主義対専制主義と決めつけないようにしましょう」「われわれが関与する当事者がますます孤立し、われわれの住む地域がますます分裂し、分極化するなら、われわれは成功しないでしょう」と語りました。
日本 元外務省高官 田中 均 氏
日本でも元外務省高官の田中均氏(日本総合研究所国際戦略研究所理事長)が「バイデン大統領が事あるごとに強調するのが、『民主主義と専制主義の戦い』という構図だ。…だが問題はこれを他国に押し付けることができるかどうかだ。米国も民主主義国が連帯して専制主義国を追い詰め、民主化することができると考えているわけではないだろう。むしろ対決をあおるだけの結果となり、世界の分断を進めることにならないか。“バイデン大統領の戦い”にどこまで付き合うのか、日本にとっても注意が必要だ」と発言しています。(6月15日)
日本・岸田首相の答弁は
2022年5月25日に日本共産党の田村氏が「民主対専制ではなく国連憲章守れの共同を広げるべきだ」と追及したのに対し、岸田首相は国連総会決議がロシアの国連憲章違反を強く批判していると述べる一方で、「わが国としてG7をはじめとする普遍的価値を共有するパートナーと連携」「価値観を共有するG7主導の秩序の回復」を強調。価値観でブロック対立をつくる米国と同様の主張をしました。
参院選中の2022年6月29日には、NATO首脳会議に史上初めて日本の首相として参加。会合後の記者会見では「同志国と連携を強化し、そして欧州とインド太平洋を結ぶ自由と民主主義のための連帯パートナーシップ、これを築いていきたい」と、「民主主義」を旗印とした軍事ブロック強化を明言しました。
ここには、この機に乗じて日米同盟の強化に加え、NATO諸国との間でも軍事的連携を強化し、中国への軍事的対抗を強める狙いがあります。同時に、ベトナム戦争をはじめとして米国の侵略戦争を一度も批判したことのない日本政府の対米屈従の外交姿勢が色濃く反映しています。
ロシア軍のウクライナ侵略糾弾プラカード 全10種
戦争をする国づくりストップ! 憲法をいかす共同センター のサイトからダウンロードしてください。
侵略戦争反対! ロシアはウクライナから即時全面撤退せよ
八王子労働組合総連合 幹事会声明
ウクライナに平和を!
八王子労働組合総連合
ロシアのプーチン大統領が2月24日にウクライナに侵攻してから2週間が経った。
ロシア軍はウクライナの軍事施設だけでなく、民間施設や医療施設、学校をも標的に攻撃し、幼い子供を含む一般市民多数が命を落としている。
こうしたウクライナに対する一方的な侵略行為は、領土不拡大を定めた国連憲章に明白に反する違法行為であり絶対に容認されるものではない。
プーチン大統領は、侵略戦争を前に世界に対し、ロシアが核兵器大国であることを誇示し、その使用も辞さないと世界を威嚇した。
唯一の被爆国として、広島・長崎で経験した核兵器の脅威を世界中からなくそうと、被爆者らが命を削って世界に訴え続けた原水爆禁止運動が実を結び、国連において核兵器禁止条約が50か国以上の賛同と批准によって発効した。その思いを踏みにじるようなプーチン大統領の言動は決して許されるものではない。
今こそ戦争を終結させるためには武力ではなく、対話による平和的解決が最善の道であることを、第二次世界大戦の反省から二度と戦争を起こさないと誓った憲法9条を持つ日本が世界に示すときである。
しかし、安倍元首相や日本維新の会などは、プーチン大統領の言動を口実に「核共有論」を公然と主張し、自国の安全を守るために「敵基地攻撃能力」が必要と改憲の動きを加速させている。この危険な動きに最大の反撃をしながら、世界の平和を願う多くの人たちと一緒に声をあげ、運動を強めよう。
ロシアは直ちに戦争をやめろ。
ウクライナから撤退せよ。
世界は核兵器の使用を許さない。
人類を滅亡させる核兵器を廃絶させよう。
日本は平和外交で戦争終結の先頭にたて。
2022年3月9日第6回幹事会幹事一同
東京都立大学労働組合 中央執行委員会声明
ロシアによるウクライナ侵攻に抗議します
このたびのロシアのウクライナに対する軍事侵攻は、 ウクライナ市民の命と生活を脅かしています。
プーチン大統領の指示を受け、ロシア軍の戦略核兵器の運用部隊が「特別態勢」に入ったとの報道もあります。 核兵器の使用を示唆する行為は、 世界の平和 、地球環境の存続 にとって大きな脅威となって おり、全面核戦争を引き起こす恐れのある人類に対する犯罪です 。
世界の人々の生活を守るためにも、 ロシア軍のウクライナからの即時 停戦と 撤退 、および和平に向けた交渉を求めます。
2022年3月2日
東京都立大学労働組合
中央執行委員会