谷口労災和解成立 13年のたたかいに終止符

 2025年8月1日、東京地裁立川支部にて谷口自死事件の和解が成立しました。守秘義務協定の関係で和解内容は明らかに出来ませんが、裁判の傍聴や全労連・東京地評争議支援総行動への参加など、組合員の皆さんの長年にわたる支援に深く感謝いたします。

 谷口さんは、癌の早期発見・早期治療をめざし製薬企業で働き、研究者である大学教授にも深く信頼され、癌の診断試薬・癌ワクチン免疫療法の開発に強い使命感を持って取り組んできました。

これを早期に開発しようと2004年にヘッドハンティングされエスアールエルに入社、2009年4月に富士レビオに出向することとなりました。

 ところが、会社の方針転換の中で、この試薬開発は進まなくなり、業務の人員配置さえされなくなりました。谷口さんは不眠、ストレス制肝炎など精神的に追い詰められた挙句2013年2月12日に自ら命を絶ちました。

 谷口さんの死の真相に迫りたいとのお姉さんの訴えに応えて、八王子労連は過労死申請を行いましたが、残念ながら、労災不服審判は最高裁でも却下されました。

 しかし、このことは、ヘッドハンティングしながら、会社の方針転換で仕事を取り上げ、孤立させて、精神的に追い詰め、自殺に追い込んだ会社の責任を免罪するものではありません。

 地裁に損害賠償裁判を申立、裁判とともに全労連・東京地評争議支援総行動など世論に訴える行動も繰り広げ、今回の和解にたどり着いたものです