労働契約法 無期転換ルール

どういう制度?

 2012年に労働契約法が改定され、同じ企業で有機契約(1年契約、6カ月など)を更新して働き、雇用期間が通算して5年を超えた労働者に、無期雇用への転換を企業に求める権利を与えるという法律です。(大学研究員などは特例で10年)

権利の名前を「無期転換申込権」、「無期転換権」と呼ばれています。

 法律は2013年4月1日に施行されたので、この以降に有機契約を結び、更新している労働者が対象になります。
契約社員、パートタイマ―、アルバイトや、準社員、パートナー社員、メイト社員など各社独自の雇用形態でも、契約期間に定めのある場合はすべて「無期転換ルール」の対象となります。

 無期雇用の契約になると、企業は期間の満了を理由にした雇止めができなくなります。
解雇の正当性に関して、最高裁判所は「整理解雇の4要件」を判例としています。
「整理解雇の4要件」とは、経営不振などの企業の都合で労働者を解雇(整理解雇)するときに求められる要件です。

  1. さしせまった解雇の必要性がある。
  2. 解雇回避の努力を尽くす。
  3. 解雇者の選定基準、人選が公平、合理的である
  4. 労働者、労働組合への説明義務を果たす。

この要件に満たなければ、解雇権の乱用として、解雇が無効になります。

「更新されないかもしれない」という不安が解消されるものです。(正社員になれるというものではありません)

申し込みで成立

 申し込みは、口頭であっても有効です。が、厚生労働省はトラブルを避けるため、書面を勧めています。「労働契約法第18条1項に基づき、期間の定めのない労働契約への転換を申し込みます」との一文と、提出する日付、氏名を記入し押印して提出すればいいとしています。

 1年ごとに契約を行進して働いてきた労働者が、通算5年になって「無期転換権」を行使して企業に申し込んだとすると、この時点で、企業が申し込みを自動的に「承諾したものとみなす」(第18条1項)ことになります。

企業は拒否できません。

 有期契約の満了する翌日から、無期雇用の契約が成立することになり、企業が嫌がって有期雇用契約の満了をもって雇止めにしようとしても、認められません。

(厚生労働省通達 2012年8月10日)「権利濫用に該当するものとして、無効になる」

1年未満の反復更新の場合


制度に抜け穴 「2018年問題」

 今、ずるがしこい企業は、この無契約期間(通算6カ月)を無理やりつくりだすことによって、労働者に「無期転換権」を与えないようにする横暴を行っています。

厚生労働省はこのような行為にたいして、「安定雇用の実現という法改定の趣旨に反する行為」だとして改善を求めています。

このような行為は脱法行為

 無期転換ルールの適用をさける目的で、更新年限や更新回数の上限などを設け、無期転換申し込み権が発生する前に雇止めをする。
・6カ月後に再度更新するとの前提で、いったん雇止めをする。
・転換申し込み権を行使しないことを更新の条件とすること。
・企業側が「試験」などを行って無期転換する労働者を選別すること。

困ったことがあったら、労働組合にご相談ください。

これも反則

 改正労働契約法の5年無期転換ルールを逃れるもう一つの手法が、選別試験を口実にした雇止めです。
「限定社員制度」「無期転換制度」など、もっともらしい無期転換の社内のルールのように装っています。
「試験に合格しないあなたの責任」として自己責任を押し付ける悪質なやり方です。

国会での追及に、厚生労働省・山越敏一労働基準局長は、こうした独自制度は

「労働契約法の無期転換ルールとは別のものだ」

と述べ、労働契約法の無期転換ルールの代替えにはならないとの見解を示しています。