「台湾有事は存立危機事態になりうる」。高市早苗首相の答弁(11月7日、衆議院予算委員会)をめぐり、日中関係が極度に悪化しています。
 現役の首相としてのこの発言は、戦後、日本と中国が積み重ねてきた平和友好の諸原則を、一方的に踏みにじった発言だからです。

日中共同声明・日中平和友好条約・日中共同宣言とは

1972年:「日中共同声明」
「相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力または武力による威嚇に訴えない。
 中国は「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する」日本は、この立場を「十分理解し、尊重する」。
1978年「日中平和友好条約」1998年「日中共同宣言」にも同様に明記
これら3つの文書は、いずれも「主権および領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等および互恵ならびに平和共存の諸原則」の上に平和友好関係があることを確認。
2008年:『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明
「3つの文書の諸原則を引き続き遵守すること」を確認。
「双方は、お互いに協力のパートナーであり、お互いに脅威とならないことを確認した」と明記。

「日中共同同声明」など、日本と中国の諸条約は上記の内容です。これらを遵守していく事が、平和友好関係を維持していくとしています。台湾に関して中国は一貫して「中国の領土」とし、外国がこの件に口をはさむことは内政干渉だと言っています。それに対して日本は「十分理解し尊重する」と表明しています。

2015年9月に成立した「安保法制」では「存立危機事態」となると、日本が直接攻撃されていなくとも、集団的自衛権により「我が国と密接な関係にある国(具体的にはアメリカ)と一緒に、日本の自衛隊が相手国とたたかうことになります。

 高市首相の発言は暗に、

もし「台湾有事」が発生した場合、一般論として、台湾に米軍基地はないので、米軍の出撃基地は日本・沖縄になるでしょう。貿易は止まり、すぐさま食糧難になります。そして台湾、日本は焦土化します。


 もちろん中国の台湾に対する武力行使や武力による威嚇(台湾有事)は許されません。

台湾海峡の平和と安定は、地域と世界の平和と安定に関わる重要問題であり、台湾住民の自由に表明された民意を尊重し、平和的に解決するよう中国政府にを強く求めていくのが政府の仕事です。
 同時に、「台湾有事」の危機をあおり、緊張関係を激化させ、大軍拡の口実にすることは許されません。
 高市早苗首相は、一刻も早く発言を撤回すべきです。