最低生計費 地方と東京 大差なく

全労連調査 最賃全国一律1500円急務

全労連・国民春闘共闘委員会は6月24日 あらたに調査した兵庫、高知両県を加えた全国の最低生計費試算調査結果を発表しました。

兵庫、高知で25歳が一人暮らしをするには時給1600円以上が必要となり、東京と差がなく、最低賃金を全国一律で時給1500円にする必要性を示しました。

最低生計費調査は、労働者へのアンケートで生活必需品を集計し、月額や時間額で換算。兵庫の25歳単身で男性が時給1626円、女性で1582円。高知で男性1665円、女性1669円となりました。

東京都北区(2019年調査)の男性1664円、女性1642円と、ほとんど差がありませんでした。高知は最賃額が全国最下位の820円で、東京の1041円とは221円の格差。年収で41万円の差になります。しかし、生活にかかる費用は変わりません。

全労連の衛藤浩司常任幹事は「参議院選や6月28日にはじまる最賃審議では、低すぎる金額の大幅引き上げ、地域格差の是正を中小企業支援とセットで求める」と強調しました。

最低生計費試算結果

自治体名男性(25歳・単身)女性(25歳・単身)現在の最低賃金
東京・北区1664円1642円1041円
長野市1699円1710円877円
京都市1639円1618円937円
大阪市1633円1614円992円
神戸市1626円1582円928円
高知市1665円1669円820円
那覇市1642円1662円820円
最低生計費試算結果

最低生計費調査とは

最低賃金は東京のの時給1041円にたいして、最下位の高知、沖縄は820円と221円もの格差がありますが、最低生計費はほとんど同じです。
25歳単身男性の場合、東京都北区で1664円、高知で1665円、那覇市で1642円です。

東京では家賃が高いですが、公共交通が発達して交通費が安くすみます。地方では家賃が安くても、自動車が必需品になるため総額は同じくらいになるのです。
現在の最賃の全国平均930円では、生活するのには低すぎます。

最低生計費の収入を保障するには、最賃を時給1500円に引き上げ、全国一律制度に改めることが必要です。日弁連も全国一律制度を導入することを会長声明で提言しています。