労働・雇用・就業対策として活用できる

▶ 自宅待機や解雇といわれたら

自宅待機命令 賃金の支払いは?  賃金の全額を請求することができます。

【民法第536条2項】

(債務者の危険負担等)
債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。

 勤務している会社(個人事業主も含む)がその会社の「責めに帰すべき事由」で休業する場合、言い換えればその「会社の都合」で休業する場合、個別の雇用契約(労働契約)や就業規則等で別段の合意がない限り、労働者は民法第536条2項に基づいてその休業期間中の「賃金の全額」の支払いを請求することができます。

 労働基準法第26条(休業手当)では ”使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。” とあることから「会社の都合で休業になった場合は平均賃金の6割の休業手当しか支払ってもらえない」と理解している人が多くいますが、それは違います。

 労働者が会社から受け取る賃金はその労働者の生活を支える必要不可欠なお金ですから、会社の都合で休業になった際に労働者がそれを受け取ることができなくなってしまうと労働者の生活は破綻してしまいます。
 会社の都合で休業になった場合、民法第536条2項の規定の適用があるので、労働者は会社に対してその休業期間中の「賃金」の支払いを請求することが可能なのですが、民法第536条2項には罰則規定がありません。ですから、悪質な会社では民法第536条2項の規定など無視して労働者に休業期間中の賃金を支払わない可能性もでてきてしまいます。

そのため、労働基準法第26条で平均賃金の6割の「休業手当」の支払いを使用者に義務付けるだけでなく、それに違反する使用者を「30万円以下の罰金(労働基準法第120条)」の罰金という刑事罰を設けることで労働者の最低限の生活資金が得られるようにしているのです。

 労働基準法第26条の規定は、会社都合の休業が発生した場合に平均賃金の6割の休業手当の支払いを使用者に義務付けることで労働者の最低生活を保障するために定められた規定であって、民法第536条2項によって生じる支払い義務を軽減する趣旨で規定されたものではありません。

 緊急事態宣言でも、自宅勤務や他の業務に就かせる努力がないと支払義務はなくなりません。

自宅待機を命じられたら

•会社が休みになった場合、基本的に 100%の賃金を要求すべきです。

•100%の賃金がもらえない場合でも、6 割相当の休業手当の支払は必要です。

•労働者としては、働く意思があることを会社に示しましょう。

•在宅勤務であることは、賃金を下げる理由にはなりません。

全労連のサイト

日本労働弁護団サイトから Q&A Q1

▶ 解雇

 経営不振による「整理解雇」も、4要件に照らし、妥当性がなければ不当解雇になります。

①必要性 ②解雇回避努力 ③人選の合理性 ④説明・協議

 有機雇用で期間途中の解雇は、やむを得ない理由がない限り認められず、通常の解雇より厳しく判断されます。

働く世帯へ

● 休業手当、休業支援金・給付金  

会社の指示で休業、時間短縮、シフト削減になった場合、パート、アルバイトを含む労働者に平均賃金の6割以上支給(労働基準法26条)

大企業・中小企業で休業手当が出なかった場合(日々雇用、登録型を含む)、本人が直接申請し、休業支援金を給付(休業前賃金の8割、上限1日あたり11,000円)

申請期限:22年3月末(休業した期間が21年4月~12月)と22年6月末(休業した期間が21年1月~3月)

● 傷病手当金

感染または感染の疑いで療養し、4日以上仕事を休み、その間収入が得られなくなった場合、国民健康保険を含む公的医療保険から支給

支給額:平均賃金日額×2/3×支給日数  問い合わせは、勤務先、加入している公的健康保険、国保の場合は市町村へ

子育て世帯へ

● 子ども一人あたり5万円支給  期限22年2月末(自治体により異なる場合あり)

児童扶養手当受給者等(低所得者のひとり親世帯)及び、それ以外の住民税非課税の子育て世帯。

給付額:子ども一人あたり5万円

児童扶養手当を受給するひとり親世帯は申請不要。直近で収入が減少したひとり親世帯や、住民税非課税の子育て世帯は申請が必要

● 臨時特別給付金

2003年4月2日から2022年3月31日までに出生した児童に対し、1人当たり10万円を給付  (給付には所得制限あり) 問い合わせは市町村

● 小学校等休業助成金・支援金 申請期間 22年2月末と22年5月まで

小学校、保育園などの臨時休業(学級単位で感染による休みをふくむ)により、子どもの世話が必要になった従業員(アルバイトを含む)に対し、年休とは別の有給休暇を取得させた場合、事業主に助成金を支給。同じ理由で就業できなかった委託を受けて仕事をする個人(フリーランス)に支援金支給。休暇取得の期限は22年3月末まで。

支給額

臨時休業:休暇中の支払い賃金相当額×10/10(上限15,000円)
委託  :就業できなかった日数×7,500円(最大)

● 妊婦の休暇取得支援金助成金 申請期限22年5月31日まで

妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年休は除く)を設け、22年3月末までに20日以上休暇を取得させた事業者。

支給額

1人あたり28.5万円。 1事業所当たり上限5人まで。

※具体的な相談は全労連の労働相談ホットライン(0120-378-060へ)

医療などで使える制度

● 国民健康保険料(税)の免除等

 政府は「緊急経済政策」で市区町村に国民健康保険料(税)の「免除等」を行うよう求め、その場合の保険料収入の減少分は国が全額手当てすることを決めました。「免除等」の対象は主たる生計維持者の収入が前年比で3割以上減った世帯です。(前年の合計所得が1千万円超の場合は除外)。減収は、1月~3月の実績を12か月分に引き延ばすなどの“見込み”で、各自治体が判断します。

● 資格証明書でも国保証と同様の検査・治療

 国民健康保険利料(税)の滞納を理由に正規の保険証を取り上げられ、医療費の全額負担する資格証明書に置きかえられてた人についても、新型コロナにかかわる検査・治療については保険証を持つ人と同じ扱いにするよう、厚生労働省から通知が出されました。(「国保発2028第1号・保医発0288第3号」2月28日)

● 国民健康保険でも傷病手当金

 政府は、新型コロナ患者となった国保加入の被用者に傷病手当金を支給し、財源は国が負担することを決定。傷病手当金の導入は、自治体の条例を変えなくても、首長の専決処分でできることや、自治体の裁量で対象を自営業やフリーランスに広げることも可能である旨を政府は答弁しています。(3月26日・参議院厚生労働委員会)

中小・小規模事業者対策への貸付

● 雇用調整助成金 期限2022年3月末まで

 企業が売り上げ減などで労働者を休業させて雇用を維持したときに支払う休業手当に対する助成金です。

 新型コロナ対策として、雇用保険の加入期間が6カ月未満の人やパート社員などの被保険者でない人を休ませる場合でも活用が可能。労災雇用保険の適用事業主も対象となります。

 助成額

休業手当日額×助成率(中小企業は4/5、大企業は2/3)×日数。従業員全員を雇用し続ける場合、助成率は9/10(中小企業)、3/4(大企業)に増えます。月30%以上生産が減少した全国の企業も対象に、最大10/10に。一人当たりの日額は1万5000円が上限です。

● 事業復活支援金 申請2022年5月末まで

コロナの影響を大きく受け、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、前年(または2年前、3年前)の同月と比べて50%以上、または30%~50%未満減少した中堅、中小、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者

上限額

売上高50%減少の場合:法人(売上高に応じて)100万円~250万円。個人50万円
売上高30%~50%未満の場合:法人60万円~150万円。個人30万円。

● 無担保・無利子融資

 民間・政府系金融機関による実質無利子・無担保の金融支援制度があります。 経済産業省のウエブサイトで詳しく紹介しています。 

● 中小事業者支援給付金 申請期限 22年2月まで

酒類販売事業者給付金

対象月において、売上が30%以上減少した事業者及び2か月連続して売り上げが15%以上減少した事業者。

中小企業等支援給付金(酒類販売事業者を除く)

酒類販売事業者等以外の事業者で、国の月次支援金を受給している事業者に追加給付を実施。

 2月からの一定の期間(1か月以上)で、収入が前年同月比で20%以上減少した場合、納税が猶予されます。担保は不要で、延滞税は全部または一部免除。固定資産税などの公共料金については、3月25日から支払い猶予の受付が始まっています。

※経済産業省のウェブサイトでは、融資だけではなく、税や社会保障の問題での制度紹介などをしています。
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf

生活や当面のお金に困ったときは

● 生活福祉資金貸付制度

 ① 休業された方向けの緊急小口資金と ② 失業された方向けの総合支援資金があります。両方で最大80万円まで借りることができます。アルバイトでも可能です。また、償還時に所得の減少が続き、住民税非課税世帯以下の場合、返還を免除することができます。各社会福祉協議会が相談窓口です。

● 住居確保給付金

「離職・廃業から2年以内の方」または「休業等に伴う収入減少により、離職・廃業には至らないが、それと同等の状況の方」(住居を失う恐れのある方も対象)

支給額:家賃相当額3カ月分を給付 最長9カ月  世帯収入と預貯金など一定の要件あり。

● 生活福祉資金貸付制度   申込期限 22年3月末

 新型コロナで収入が減少し、生計維持が必要な人。

貸し付け上限額:20万円以内。無利子・保証人不要・据え置き1年。償還2年。総合支援金の場合と同様の返済免除あり。

申し込みは市区町村 社会福祉協議会

● 生活福祉資金貸付制度   申込期限 22年3月末

新型コロナで収入減少や失業等により、生計維持が困難になっている世帯

貸し付け上限額:(2人以上)月20万円以内×3カ月以内。(単身)月15万円以内×3カ月以内 3回まで貸し付け。無利子・保証人不要・据え置き1年、償還10年。

返済時に住民税非課税の場合は返還を免除  申し込みは市区町村 社会福祉協議会へ

● 生活困窮者自立支援金   申請期間 22年3月末まで

緊急小口資金等を利輸できない世帯で、再貸し付けを借り終わった世帯など。

支給額:月額で単身世帯6万円 2人世帯8万円、3人以上世帯10万円 支給期間は3カ月。再支給も可

収入金額、預貯金、求職活動等の条件がある。 問い合わせ:各市役所

● 生活保護制度

 生活保護制度は、国民の権利ですが、福祉事務所の窓口で、「まだ働けるでしょう」などと申請しないように誘導される(水際作戦)ことが問題視されてきました。厚生労働省は、事務連絡で、「生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取」し、「面接時の適切な対応(保護の申請権が侵害されないことはもとより、侵害していると疑われるような行為も現に慎むこと等)、速やかな保護決定」を求めました。稼働能力の判断も「新たに就労の場を探すこと自体が困難であるなどやむを得ない場合は、緊急事態措置期間中、こうした判断を留保」するとしています。自動車保有などの弾力的運用も求めています。相談先は、各行政区の福祉事務所です。

学費負担が大変

● 就学支援新制度

 家計が急変し、大学、短大、高専、専門学校で学ぶことが難しい人。4人世帯で年収が380万円以下(住民税非課税世帯とそれに準じる世帯)の世帯の学生

内容:授業料減免70万円(上限) 授業料減免等については書く学校の学事課へ

● 学生支援緊急給付金

修学支援制度(上記)の利用者(申請不要)及び、経済的理由により就学の継続が困難な学生・

内容:支給額10万円  相談は書く学校へ 申請期限は学校ごと

● 小中学生は就学援助

申込先:学校または市町村教育委員会

● 高校生は奨学給付金

申込先:学校または都教育委員会

住民税非課税世帯へ

● 臨時特別給付金

➀ 21年度場運の住民税非課税である世帯。② ➀のほかコロナの影響で家計が急変し、➀の世帯と同様の耳珠がある世帯。

給付額:1世帯あたり10万円

問い合わせは市町村

税金・社会保険料・公共料金の猶予・減免

● 国税・地方税の猶予

コロナの影響などで一時に納入することが出来ない場合、申請により納税を猶予する制度があります。基本的にすべての税が対象

● 国民健康保険・国民年金・後期高齢者医療制度、介護保険

一定程度収入が下がった方々等は、保険料(税)の減免や徴収猶予が可能

● 電気、ガス料金、水道・下水道料金

支払い期限を繰り延べる等の措置を実施。多くの自治体では支払いを最長4カ月延長。減免もあり。

問い合わせはそれぞれ 税務署、市町村、各事業者へ